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EROSMAN

第11章 Dの名を持つ幼女

場所が変わって、ここは謎の地下施設。
今、ここでは6人の人間が集まっていた。
「Dは・・・どうなっている?」渋い声の男はいう。
「現状では、どうなっているか分かりませぬ。」一人の小柄な女はいう。
「Dの失敗作を解放したバカがいるッチ。あのバカはDの失敗作をDと結合させて、最強の怪物にしようとしているッチね?何でまたそんな事をしようとしてるッチ?」
渋い声の男は、「奴の考えてる事は分からん。とにかく、完全体となった場合、もう止める事は出来なくなる。世界の終わりだ。」
6人は溜め息を吐き、部屋から出ていった。
彼らが何者なのか、分かるのはまだ後の話。
一方、こちら東京の新宿。
椿は妹の雛の服を買うため、来たのである。
「ねえ、お兄ちゃん。私好きな子ができちゃった。」
急な妹からの告白。
椿は気が動転したが、冷静になって雛に問いかける。
「ねえ、雛。その子の事詳しく教えてくれない?」
「いいよ!」
雛は元気に返事をすると、「えっとね、その子はね・・・。」
「雛!危ない!」
椿はとっさに雛を突き飛ばす。
と、同時にさっきまで雛がいた所に何かが降ってきた。
ソレは、女の子だった。
女の子はユラリと立ち上がると、口が裂けるくらいの笑みを浮かべ、「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!」と大声で笑いながら雛に襲いかかった。
「おおお!」
椿はその女の子を蹴り飛ばした。
女の子は吹き飛んだが、すぐに体勢を直し、首だけがグルンと回転し、こちらを楽しそうに見ている。
「がおー!」
その女の子は叫びながら今度は椿を狙ってきた。
椿は飛びかかってくる女の子の下に入り、顎に強烈なアッパーカットを叩き込む。
「ぐ・・む。」
女の子はそのまま上空に打ち上げられ、地面に叩きつくように落ちた。
「これが俺の必殺技、椿花火だ!」
椿は得意げに言うが、雛は「お兄ちゃん、あまりかっこよくない。」と言った。
椿は女の子を見る。
女の子はまだ笑みを浮かべ今にも動き出しそうな感じだ。
「いったい、何なんだコイツ・・・。」
すると、街の人達の悲鳴が起こる。
椿は呆然とした。
先ほど倒した女の子が街の人達を襲っている。それも何人もいる。
「くそ!逃げるぞ雛!」
椿は雛を連れて路地裏に逃げ込んだ。

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