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EROSMAN

第11章 Dの名を持つ幼女

一方、こちら胤罫。
家に帰ると、自宅の扉がなくなっていた。
「バカヤロー!ここ賃貸だぞ!」
胤罫は涙を流しながら叫ぶが、その叫びは独り言となってしまった。
「あいつら、どこいったんだ?誰かに襲われて逃走したのか?」
胤罫は香織に電話する事にした。
三回ほどコールが鳴った後、「はい、香織ですけど?ハア、ハア。」
「香織、今どこにいんだ?そんでもって、何でそんなにハアハア言ってんだ?まさかお前・・・。」
「バカ!今追われて走ってんの!」
「今どこだ!すぐ向かう!」
「えっとね、新宿・・。」ガチャ
ツー、ツー。
「おい、香織、香織!」
しかし、香織からの応答はない。
「くそ!鬼帝を襲った奴と同じ奴か?」
胤罫は新宿へと向かった。
新宿に着くと、胤罫は男性が女の子に襲われているのを目撃した。
「くそ!」胤罫はその男性を助けようと走るが、男性は悲鳴を上げ、女の子に頭をもぎ取られてしまった。
「う・・ぷ・・。」胤罫は吐き気をこらえ、女の子を睨みつける。
女の子はキョトンとした表情を浮かべたかと思うと、「キャハハハハ!」と、狂った人形のように笑いだした。
「クレイジー、だな。」
胤罫は悪態をつくが内心、心の中では恐怖で今にも震え出しそうだった。
女の子は笑いながら胤罫に突っ込んでくる。
「チイ!」胤罫は横に転がって女の子の奇襲を避ける。
女の子は勢いのあまり、そのまま転がっていく。
胤罫は逃走しようとするが、周りを見ると、無数の女の子達が胤罫を取り囲んでいた。
「くそ!」
胤罫は拳を構え、奇襲に備える。
そんな時、女の子の一人の頭部が吹き飛んだ。
「大丈夫ですか!」
胤罫は声の主を見る。
「・・シノブ!」
それは、あのシノブだった。

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