テキストサイズ

EROSMAN

第11章 Dの名を持つ幼女

「全く効いてないですね。」
サキエルは発砲をし続ける。
巨大娘はサキエルを標的に変える。
「あああああ!」
巨大娘は叫び声を上げ、サキエルがいるビルをその巨大な手で凪払う。
「マズいですね!」
サキエルはすぐさま隣のビルに飛び移る。
先ほど、サキエルがいたビルは倒壊した。
「あ!」
サキエルの進行方向に、巨大な手が待ち構えていた。
サキエルは巨大な手で掴まれ、巨大娘の顔の前まで持っていかれた。
「く!」
サキエルは腕を火炎放射機に変え、手を燃やした。
「ふひ~!」
巨大娘は間の抜けた声を上げ、サキエルを解放する。
サキエルは地面に向かって落下するが、無事着地した。
「もう怒ったぞ~。」
巨大娘はそう言うと、胤罫達に向かって走り始めた。

一方、こちら鬼帝。片方が倒れていた。
「・・お前は私をなめすぎた。鬼帝。」
倒れていたのは鬼帝だ。
「ヒーロー気取りしてもな、今の世の中そう簡単にうまくいかないんだよ。」
「ぐ・・が!」
鬼帝の身体には風穴があいていた。
そこからは血が大量に出ている。
「お前はそこで完全なるDを見物しながら死んでゆけ。」
土鈴は愉快に笑いながらDが逃げた方に歩いていく。
しかし、土鈴の足を鬼帝が掴む。
「・・何だまだやるか、ゴミ。」
土鈴は冷ややかな目で鬼帝を睨む。
「あ・・あの子は、貴様のようなサイコ野郎には永遠についていかないぞ!」
土鈴は鬼帝を蹴り飛ばす。
「があ!」
「お前は、誰も救えないんだよ。所詮は住む世界が違いすぎる。」
土鈴は、突然咳き込んだ。吐血だ。
「やはり、時間を稼いで正解だったな。貴様は、私を急いで倒そうとしていた。お前は、その謎の能力を使いこなせていない。」
鬼帝はゆっくり立ち上がる。
「貴様なんかが・・、人の意見を聞かないで自分の思う通りにならないといけない性格の貴様に、あの子の幸せを奪う資格なんてないんだ!」
土鈴は笑う。
「は、人Dが人?笑わせんなよ!アイツは私が数多の人の血と肉で作り出した継ぎ接ぎの人形なんだよ!数多の人の力が増殖していったためにあんな怪力が出せるんだよ!」
土鈴は上を向き、「・・・あの子達が、Dを見つけたぞ。」
と言った。
「あの子達?」
鬼帝が質問した直後、上空に何かが見えた。
それは巨大なDだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ