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EROSMAN

第12章 呪い少女

一方、こちら池袋。
普段と変わらない朝の風景、しかし一部は異常な光景であった。
のそのそとゆっくり歩く一人の大男がいた。
上半身は裸、ボロボロのジーンズをはき、上半身は痛々しい傷。
口から右目にかけて包帯で隠している。髪型は長髪で、赤色に染め上げている。
しかし、その格好だけでも異常なのに、右手には5メートルほどのハンマーを持っている。ハンマーには殺の文字が掘られている。
「・・ドコ二イル、ノロイノムスメ。」
男は辺りを見渡す。
「オマエカ。」
と近くを歩いていた一人の女性を掴み上げる。
「え?何々?助けて!」
すると、一人のサラリーマンが現れた。
「おい、やめろ!嫌がってるだろ?」
サラリーマンは男の前にいくと、男の身体を殴った。
「ナンダ?」
男は視線をサラリーマンに向け、女性を離した。
女性は泣きながら逃げていった。
「オマエ、コロシテイイ?」
男はそう言うと、持っていたハンマーをサラリーマンの頭上に持っていく。
「お・・おい!やめ・・。」
と言いかけた途端、ハンマーがサラリーマンに振り下ろされ、サラリーマンはグシャ!という音と共に肉片になってしまった。
「ア・・アンマリヒトヲコロシチャイケナイ、テイワレテタノニ。」
男は少し考え、「マ、イイカ。」
と言い、再び歩き始める。
周囲にいた人々は蜘蛛の子を散らすように逃げる。
「何だ、アイツ・・。」
それを見ていた椿はカルマのもとに走る。
「おい!何してんだお前!」
カルマは歩みをとめ、顔は一切動かさず眼球だけ動かして椿を見る。
「ダレ?オマエ。」
カルマは一言そう言う。
「俺は椿だ!で、お前、さっき人を殺しただろ!」
「・・アア、オレヒトヲコロスノダイスキ。」
カルマの表情に笑みがこぼれた。
「ジャマスルナラ、オマエモコロス。」
椿はカルマの目を見て凍りついた。
・・立ち向かったら必ず殺される。
そんな思いがよぎる殺人鬼の目を見たからだ。
椿は渋々後ろに下がった。
「オレ、ジュジュツヲツカウオンナノトコロ二イカナキャイケナイカラ、ジャマスルナ。」
カルマはそう言い歩いていく。
椿は自分の弱さを呪った。

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