紅蓮の月~ゆめや~
第8章 第三話 【流星】 プロローグ
―どうしたんだ、美都。
そこに英輔が琢己を抱っこして現れた。事態は最悪の局面を迎えた。泣き喚いた彼女は半狂乱状態で、何とか英輔が宥(なだ)めすかして帰らせた。美都は良人に彼女を自宅まで送るように言ったけれど、英輔はタクシーを呼んで彼女をそれに押し込んだ。
その夜、琢己が眠った後、美都と英輔は二人で話し合った。
―あの子とは遊びなんだ。本気とか家庭を壊すとか、そんなつもりは全然ない。
英輔は悪戯がばれた子どものように、平然と悪びれもせず言った。美都はそんな英輔を許せなかった。人の心はそんなに容易く割り切れるものではない。このことで傷ついたのは美都だけではなく、多分、あの泣き喚いていた女も同じだ。
そこに英輔が琢己を抱っこして現れた。事態は最悪の局面を迎えた。泣き喚いた彼女は半狂乱状態で、何とか英輔が宥(なだ)めすかして帰らせた。美都は良人に彼女を自宅まで送るように言ったけれど、英輔はタクシーを呼んで彼女をそれに押し込んだ。
その夜、琢己が眠った後、美都と英輔は二人で話し合った。
―あの子とは遊びなんだ。本気とか家庭を壊すとか、そんなつもりは全然ない。
英輔は悪戯がばれた子どものように、平然と悪びれもせず言った。美都はそんな英輔を許せなかった。人の心はそんなに容易く割り切れるものではない。このことで傷ついたのは美都だけではなく、多分、あの泣き喚いていた女も同じだ。