紅蓮の月~ゆめや~
第8章 第三話 【流星】 プロローグ
男のエゴで、どうして女はこんなに振り回されるのか。美都の心に大きな疑問が残った。その日を境に、美都と英輔の間には小さな亀裂ができた。ほどなく英輔は彼女と別れたらしく、帰宅も七時きっかりマンションに戻るようになった。表面は以前と変わりない日が流れたが、美都の心の底には澱のようなものが淀んでいた。その中には英輔への不信感があった。
そして、今日の朝、些細なことが原因で喧嘩になり、美都はマンションを飛び出した。一体何が原因だったのか思い出せないような、つまらないことだった。しかし、喧嘩の理由云々よりも、美都の心情の方が問題なのだ。人の心を弄び、浮気がばれたから女と別れて、それで何もかも終わりだと平然としている英輔との日々に美都自身の心が拒絶反応を起こしているのだ。
そして、今日の朝、些細なことが原因で喧嘩になり、美都はマンションを飛び出した。一体何が原因だったのか思い出せないような、つまらないことだった。しかし、喧嘩の理由云々よりも、美都の心情の方が問題なのだ。人の心を弄び、浮気がばれたから女と別れて、それで何もかも終わりだと平然としている英輔との日々に美都自身の心が拒絶反応を起こしているのだ。