紅蓮の月~ゆめや~
第10章 第三話 【流星】 二
兼家の夜離れは相も変わらず続いている。
懐妊が判明して数日が経過した。
その夜、美耶子はかなり早めに寝んだ。ここのところ悪阻が激しくて、食事も満足に摂れなくなった。加えて暑さのせいもあり、元々痩せ気味で華奢な美耶子は更にひと回り肉が落ちた。乳母が運んでくる薄い汁粥すら喉を通らない。一日中、御帳台の中に引きこもって鬱々としては時折浅い眠りを貪るだけであった。
夕刻、乳母がいつものように汁粥を持ってきたが、結局また食べられなくて、殆ど手つかずの状態で下げることになった。陽が落ちて御帳台に入ってから、直にうとうとと浅い眠りに落ちた。
懐妊が判明して数日が経過した。
その夜、美耶子はかなり早めに寝んだ。ここのところ悪阻が激しくて、食事も満足に摂れなくなった。加えて暑さのせいもあり、元々痩せ気味で華奢な美耶子は更にひと回り肉が落ちた。乳母が運んでくる薄い汁粥すら喉を通らない。一日中、御帳台の中に引きこもって鬱々としては時折浅い眠りを貪るだけであった。
夕刻、乳母がいつものように汁粥を持ってきたが、結局また食べられなくて、殆ど手つかずの状態で下げることになった。陽が落ちて御帳台に入ってから、直にうとうとと浅い眠りに落ちた。