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紅蓮の月~ゆめや~

第6章 第二話【紅蓮の花】 二

 庭の片隅に植わった椿のつややかな緑の葉の上にも薄く雪がのっている。真っ白な雪と眼にも鮮やかな真紅の椿の色が対照的で、まるで一幅の絵でも見ているかのようだ。樹には幾つもの真紅の花が零れんばかりに重たげについていた。
 まるで燃え盛る焔のような、美しい紅い花。凛子はその鮮烈なまでの色を息を呑んで見つめた。

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