テキストサイズ

紅桜学園イケメン部!

第38章 聞こえる足音




「死にたくな…―――」


俺は、いつの間にか
彼女を抱きしめていた。



「泣くな、大丈夫」


大丈夫なんて、確証もないのに容易く言えてしまう俺は、汚れた人間なのかな。


言葉なんて並べた所で、
事実が変わる訳がないのに。



「大丈夫、大丈夫だから」


胸の中で泣く妹に、何もしてやれない事がただただもどかしかった。

どうやっても、
俺は助けてやれないのだ。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ