紅桜学園イケメン部!
第5章 木漏れ日の灯る場所
あたしが「姫」になれた事は、奇跡に近い。
というか、あたしなんかよりもっと可愛くて優しくて…そう。理穂みたいなふわふわした女の子の方がきっといい。
『お前じゃないと俺らの『姫』はつとまらねぇよ。
お前がみんな必要だと思う』
要の言葉を思い出す。
あたしはこの言葉に少しだけ救われた。
『必要』昔から求めても手に入らなかった言葉が、ほら。
やっと言って貰えた。居場所を作って貰えた。
「・・・みなみ、口元緩んでるよ?」
「うっさい」
おおっといけない。理穂はニヤニヤしている。
女の子達は睨んできたけど、とりあえずスルー。
実際男は嫌いだけど、多分あいつらは悪い奴らではないらしい。
あたしが気兼ねなく居られる場所なのだから。
あたしが居ても良い場所。
嬉しすぎて泣きそうだ。