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契り

第4章 鬼狩

「座った方が、聞きいやすいと思いますよ」

戒と言う男が、細い黒ぶちの眼鏡を指で押しあげた。

整った漆黒の髪は、後ろに撫でるように揃えられ、わざとなのか前髪が少しだけ額に落ちている。

左手の薬指に指輪。

いつもながら、自分のこの余裕が嫌になる。

否。
余裕があるわけじゃないんだ。
そう、一瞬で感じるんだ。


促され、椅子に座ると戒も座った。

「鬼を差し出してください」

差し出す…って。

「そんなこと・・」

「できっこない。…鬼、本当に居るんですね」

勝ち誇った顔に、言葉で誘導されたことに気づく。

--- ハメラレタ

僕は、バカだ。
こんな簡単に相手のペースに乗ってしまうなんて。

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