愛して、愛されて。
第3章 日常と、
「アンタのせいで、散々な目に合った。」
「酷いねー、奏太君。俺のせい?」
当たり前だと、目の前の男を睨んだ。
目の前の男…
雄飛さんは、知ったこっちゃないと目を細めて笑う。
「随分早いね、今日。」
「これから学校。当たり前だろ」
へらへら笑う雄飛さんは、兄さんと同い年で、兄さんの知り合いだ。
兄さんの、友達っていうのかな。
…よく、わかんねーけど。
朝からダークな感じの漂うこの店は、雄飛さんが経営しているらしい。
自称珈琲屋だと言っているけれど、奥の棚には高そうなお酒がずらりと並んでいて、
見るからに、大人の店ってやつだ。
兄さんは、この店の常連らしいけど。