背中デ愛ヲ、囁キナサイ
第2章 月明カリノ下デ
やがて、わたしの髪を弄る手も止まり、身じろぎひとつしなくなった彼。
普段なら、ベッドを離れるまでわたしの髪で遊んだりするのに、なんだかやっぱり様子がおかしい。
あなたは今、何を考えてるの?
わたしは何か感じられはしないかと、さらに深く彼の胸に顔を埋め、足先まで彼の体に密着させた。
あ、……ごめん
彼の足に絡めようとした自分の太ももに、さっきまでとは様子の違う彼のものが触れた。
と、次の瞬間、無言で彼は仰向けになってしまった。
何か考えているはずなのに、何も言ってはくれない。
萎えるような気持ちにさせたのは、きっと、わたしなんでしょう?