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背中デ愛ヲ、囁キナサイ

第2章 月明カリノ下デ


 またこんな思いをするなんて思わなかった……

 恐怖心で蘇る自分の過去。


 結局私は、この人にもあの人と同じように幻を見ていただけだったの?


 暗闇の中、私はこのどうしようもない不安感から逃げ出したくて、なんとか彼の力からすり抜けようとしたけれど、

 そんな抵抗は軽くあしらわれ、青アザができるほどの力強さで指を食い込ませながら、膝を握られ足を開かせられた。

 ねえ、何か言ってよ……

 私の中に入ってくる彼の中指と薬指は、いつもの愛しい優しさなどは微塵もなく、

 触れられたらそれだけで溢れてしまう奥まった場所を、強く激しく攻め続けるだけだった。

 自分の体の反応が、ただ、悲しい。

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