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背中デ愛ヲ、囁キナサイ

第2章 月明カリノ下デ


 あれは、もう10年以上前の、昔のこと。

 高校2年の時にわたしは初めて男の人を知った。

 同級生だった相手に、半ば強引にせまられて。

 相手はどう思ったかわからないけど、わたしに残ったのは、なんとも言い難いほど無機質な感覚だけだった。

 気持ちは二の次、というただの行為。

 もちろんその相手とは長くは続くわけもなく、わたしは行為自体に嫌悪さえ抱きながら、その後数年間を過ごすことになった。

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