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背中デ愛ヲ、囁キナサイ

第3章 朝陽ヲ浴ビテ


 ねえ、まゆみ?

 もしかすると僕らは、お互いちょっと大人ぶってしまってたのかもしれないね。

 それぞれに過去があるのは当然で、それに全く触れないことがルールだ、なんて思ってた。

 嫉妬したり、不安がったり

 そんなのを表に出すなんて恥ずかしい、みたいにね。

 でもさ、

 それを自分ひとりで抱えきれずに、お互いを信じられなくなってた僕らの方が、ずっと子供で、ずっと格好悪くない?

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