束縛彼氏
第5章 束縛彼氏のライバル
あたしは家についてからも、ずっと藍斗の事を考えていた
『あたし、藍斗のこと…』
”好きだったのか…”
だけど、その言葉は口にしなかった。
言ってしまったらそれを認めてしまうようで、何故か嫌だった
本当にあたしってばワガママだなぁ…
藍斗はあたしにとってブランドだったんでしょ?ただのお飾りだったんでしょ?
…なのにどうして涙が出るのよっ!
あたしは止まらない涙を隠すようにクッションに顔をうずめ、現実から逃げるように目をつむった
―それでも頭に浮かぶのは、藍斗のあの顔だった