
真っ赤な家庭
第4章 嘘
いつも通りに朝礼も終わり、課長を読んだ。
「お前、まだ顔色悪いけど大丈夫か?」
「…はい。」
「急にどうしたんだよ。」
「こんなときに急に休んでしまい、申し訳ありません。」
「いいんだよ、体あっての仕事だ、定年間近だからって無理すんなよ。」
何ら変わらないいつも通りの対応。
「自分風邪ひいて声変でしたよね?」
「声?お前、風邪だったのか、俺はてっきりめまいが酷いって言ってたから、過労かと思ったよ。
過労による風邪かな?」
「はい…そうですね。」
「年なんだから、気を付けてくれよ。」
笑顔で軽く肩を叩いて去って行った。
課長が聞き間違える訳ない、確かに自分…
かけた覚えも休んだ記憶も無い。
