
真っ赤な家庭
第4章 嘘
松本は全てを聞いた後、
「やはり、あのときにすれ違ったのは林さんだったんですね。」
「自分何かしたのか?」
「確信は出来ませんが俺も今回のヤマは個人的にも気になって倉敷家を見に行ったんですけど、これと言って何も無くて帰ろうとしたら、林さんらしき人と偶然すれ違って話かけても反応が全く無かったから他人の空似かと思うようにしてたんですけど、様子がおかしくて気になっていたんです。」
「様子がおかしいって…」
気になるのと同時にこれ以上聞くのが怖かったが聞かないと始まらない。
精一杯の勇気を絞って聞くことにした。
自分が想像につかないくらいに恐ろしい結果になる可能性もあるが…。
松本は珍しく躊躇う表情を見せた。
尚更恐ろしくなった。
