血とキズナ
第4章 どうでもいい奴ら
顔を上げると、なぜか帰ったはずの鴇津がそこにいた。
「びっくりした。どうしたの」
佇む鴇津は、いつもより眉間をよせながら、投げやりに言った。
「それ」
鴇津は、机に落とした四つ折りの紙を目で示す。
促されるまま、リツは紙を開いた。
そこには、ファミレスやコンビニなどの店舗名と電話番号が、いくつも羅列されていた。
「なにこれ」
意図が読みとれず、リツは鴇津を見上げた。
「バイト、探してんだろ。
それ、ここの連中がちゃんと働いてたところだ。
可能性あんじゃねえの」
リツはもう一度紙のリストに目を落とす。
鴇津の意外な行動に、リツはあ然とした。
しかし胸の奥がふわっと温かくなるのを感じる。
「マジかよ、すげえうれしい。ありがとう」
もう一度鴇津を見上げると、鴇津がぐっと息を呑む。
「そりゃよかったな」
そう言って、今度こそ鴇津はいなくなった。
リツはもう一度リストを眺める。
バイト先の数は、軽く20件近くある。
昼休みから今までの数時間で、これだけ調べてくれた。
それだけでも相当うれしいが、もしかして、このリストを渡すためにユウゴを追っ払ったのだろうか。
らしくないところを見られたくなかったとか。
だとしたら、ちょっと可愛い――。
意外と照れ屋なのかもしれない。
リツはリストを片手に、にやつきが収まらなかった。
「びっくりした。どうしたの」
佇む鴇津は、いつもより眉間をよせながら、投げやりに言った。
「それ」
鴇津は、机に落とした四つ折りの紙を目で示す。
促されるまま、リツは紙を開いた。
そこには、ファミレスやコンビニなどの店舗名と電話番号が、いくつも羅列されていた。
「なにこれ」
意図が読みとれず、リツは鴇津を見上げた。
「バイト、探してんだろ。
それ、ここの連中がちゃんと働いてたところだ。
可能性あんじゃねえの」
リツはもう一度紙のリストに目を落とす。
鴇津の意外な行動に、リツはあ然とした。
しかし胸の奥がふわっと温かくなるのを感じる。
「マジかよ、すげえうれしい。ありがとう」
もう一度鴇津を見上げると、鴇津がぐっと息を呑む。
「そりゃよかったな」
そう言って、今度こそ鴇津はいなくなった。
リツはもう一度リストを眺める。
バイト先の数は、軽く20件近くある。
昼休みから今までの数時間で、これだけ調べてくれた。
それだけでも相当うれしいが、もしかして、このリストを渡すためにユウゴを追っ払ったのだろうか。
らしくないところを見られたくなかったとか。
だとしたら、ちょっと可愛い――。
意外と照れ屋なのかもしれない。
リツはリストを片手に、にやつきが収まらなかった。