テキストサイズ

血とキズナ

第9章  

 誰にも知られないようにしたいようだから、誰かとと会うという事も言わないほうがいいのだろう。

 それに狭山のことだ。

 人と会うなんて言ったら、相手は誰で場所はどこでなど、根掘り葉掘り聞かれるに決まっている。

 最悪ついてくるかもしれない。

 バイトということにしておけば、それ以上の詮索はないだろう。


「そっか、じゃあまた夜な」

「おう」


 狭山は大きくアクビをしながら教室を出て行った。

 教室の後ろの席であるユウゴを確認すると、いつもの如くすでにその姿はなかった。

 学校が終わってすぐに集会が始まるとして、約束の時間まであと2時間以上ある。

 地図を見たところ、待ち合わせ場所までは歩きで行くには少し遠く、バスで行くのが無難そうだった。

 とはいえ、バスを使えば20分ほど。

 まだまだ時間はあるのだが、この近辺でぶらぶらと時間潰して変に人に見られるのも賢いとは言えない。

 だいぶ早いが、リツは待ち合わせ場所に向かうことにした。

 ポケットにしまった手紙の存在を確認しながら、リツも教室を出た。





 
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった

ストーリーメニュー

TOPTOPへ