血とキズナ
第2章 腕
霧金からほど近く。
国道沿いの商店街を、中林は歩いていた。
三車線ある大通りは、途切れることなく自動車が往来している。
「中林、ほんとに大丈夫なんかよ」
後ろには、中学からの連れが2人ついている。
「あ? 今更何言ってんだよ」
「でも、柴鳳のたまり場に乗り込むなんて、いくら何でもヤバくね?」
中林は、弱音を吐く加倉の胸ぐらをつかむ。
「だったらどうすんだよ。
俺らに後ろ盾はいないんだぜ?
このままじゃ、双龍会や青嵐党がバックに付いてるガキどもの使いっパシリだぜ。
そんなんガマンできんのか、あ?」
「そ、そうだけど。
でも本拠地に乗り込むなんてさ……。
せめて、柴鳳の下っぱの誰かに頼んで、それから紹介してもらえば」
「バカかテメエは!
下っぱが、明日斗くんと東条の関係なんか知ってるわけないねえだろが」
中林は加倉を乱暴に突き放した。
「……デェジョブだよ。
俺らは明日斗とのこと知ってんだ、それだけで俺らが明日斗くんに信頼されてたことはわかる。
明日斗くんを認めたんだ……、俺らのことだって、認めてくれるはずだ」
中林は再び歩き出す。
その後ろを2人はついていくが、その足取りは重かった。