兄と首輪
第2章 兄と素足
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『ただいま…』
家の鍵を開けて…誰もいない家へ挨拶をする。
ま…静かでいい…
高校の制服にも馴れてきた…私には少し大人っぽい気もするが…そのうち…しっくり来るのだろう…
ふー…とため息をついてリビングのソファーに勢いよく倒れる…
朝から…モヤモヤが消えない……
朝…兄と一緒に学校に行ったが…いつもと同じだった…
優しくて…頼りになる兄…私の理想の兄…カッコイイ兄…
違う……
皆と同じ顔なんか見たくない…
私だけ…私だけ…知っている……
兄の…いやらしい…顔…
いやらしい…声…
無理…私は…戻りたくない…普通の…兄妹に…