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兄と首輪

第8章 兄と鍵

離れて見ていた父さんが…誇らしげに

「勝はモテるんだな。そのうち、彼女でもつれてくるかもな(笑)」


………なんだか…父さんに悪い気がした…


しかし、連れて来たら…


殺す!!!



その殺気に気がついたのか
声をかける彼女らに愛想をふりまいてこちらに走ってきた



「父さん、母さん…今日はありがとう…これから教室戻っていろいろあるから…先、帰る?

アヤも教室戻らないとだろ?」


『あ…私も戻らないと…』

私達は両親に手を振り、教室にむけて歩いた。


「今日の送別会…私服?」

『ん…夕方からだから…私服だよね…一緒にいけるよね?』

「一緒に行こう。」



二人で…この校舎歩くの…終わりか…

兄さんの背中が…遠くなる感じが…する…



『兄さん……』







「なに?不安になった?」


ドキッとした…

何も言ってないのに…私の不安が…伝わったのかな…


「アヤ…大丈夫だよ…」



兄さんは…それだけ言って…

笑ってくれた…




でもね…兄さん…





まだ……不安は………




……消えないんだよ………




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