側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
キョンシルは寒風に身をさらすことにも頓着せず、ただひたすら紅の花片を摘み取ることだけに集中していた。
トスとついに結ばれてから二日後の午後である。昨日、崔家の執事馬サンボクが再び訪ねてきて、近況を教えてくれた。祖父の病状は一進一退を繰り返してはいるもの、現状としては特に変わりはないという。
またトスの素性については、彼の故郷である海辺の町までは往復するとふた月近くもかかることから、都に住まう、さる両班に崔家から人が調べにいったそうだ。
二ヶ月も要したのでは、その間にイルチェの身がどうなるか判らないという危惧があったからだ。その両班は数年前に任期を終えて都に帰ってきたが、海辺の町を含む一帯の地方の県(ヒヨン)監(ガン)を何度も務め、長らく地方暮らしであった。
トスとついに結ばれてから二日後の午後である。昨日、崔家の執事馬サンボクが再び訪ねてきて、近況を教えてくれた。祖父の病状は一進一退を繰り返してはいるもの、現状としては特に変わりはないという。
またトスの素性については、彼の故郷である海辺の町までは往復するとふた月近くもかかることから、都に住まう、さる両班に崔家から人が調べにいったそうだ。
二ヶ月も要したのでは、その間にイルチェの身がどうなるか判らないという危惧があったからだ。その両班は数年前に任期を終えて都に帰ってきたが、海辺の町を含む一帯の地方の県(ヒヨン)監(ガン)を何度も務め、長らく地方暮らしであった。