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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い

 長身のなかなかの男前だ。歳は二十五、六というところか。苦み走った男前は女たちの熱い視線を集めるに違いないだろうが、細い眼が何となく油断ならぬ光を放っているようで、キョンシルはできればあまり関わり合いたくないような類の男だ。
 男は丁重に頭を垂れ、名乗った。崔家の馬執事の弟だという。
「兄が来られなくなったので、代理として私が参りました」
 男は慇懃に述べる。
「馬執事が来られなくなったって、まさか、お祖父さまに何かあったのですか?」
 キョンシルが掴みかからんばかりの剣幕で訊ねる。

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