
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
「こんな場所に長居は無用だ」
トスに掴まって立ち上がる。かなりの時間、身体の動きを拘束されていたので、歩こうとしても身体が言うことをきかない。
「大丈夫か?」
「まだ薬が効いているのかもしれないわね」
「―薬だと?」
トスの眼が剣呑に光った。こういう眼をするときは、彼が相当怒っている証拠である。
キョンシルは攫われる際、輿から飛び降りようとして薬をかがされたこと、手下たちから聞いた話をそのままトスに伝えた。
「全く、何て奴だ。血の繋がった甥の娘を手込めにするつもりだとは。獣にももとる奴だな。もしミンチュがここにいたら、この剣で叩き斬ってやるのに残念だ」
トスに掴まって立ち上がる。かなりの時間、身体の動きを拘束されていたので、歩こうとしても身体が言うことをきかない。
「大丈夫か?」
「まだ薬が効いているのかもしれないわね」
「―薬だと?」
トスの眼が剣呑に光った。こういう眼をするときは、彼が相当怒っている証拠である。
キョンシルは攫われる際、輿から飛び降りようとして薬をかがされたこと、手下たちから聞いた話をそのままトスに伝えた。
「全く、何て奴だ。血の繋がった甥の娘を手込めにするつもりだとは。獣にももとる奴だな。もしミンチュがここにいたら、この剣で叩き斬ってやるのに残念だ」
