
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
と、満更冗談ではなさそうな表情でさらりと言う。
結局、トスに背負われ、キョンシルは納屋を出た。むろん、中にまだ女がいると見せるために、閂を元のようにかけておくことも忘れない。これで少しは時間稼ぎができるはずだ。
「トスおじさん、私、重くない?」
キョンシルが訊ねると、トスは笑った。
「そなたの一人や二人、何ともない」
「トスおじさん、私は一人しかいないわ。二人背負うなんて無理よ」
「それもそうだな」
全く逃亡しているとは思えないような二人のやりとりであった。
結局、トスに背負われ、キョンシルは納屋を出た。むろん、中にまだ女がいると見せるために、閂を元のようにかけておくことも忘れない。これで少しは時間稼ぎができるはずだ。
「トスおじさん、私、重くない?」
キョンシルが訊ねると、トスは笑った。
「そなたの一人や二人、何ともない」
「トスおじさん、私は一人しかいないわ。二人背負うなんて無理よ」
「それもそうだな」
全く逃亡しているとは思えないような二人のやりとりであった。
