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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い

「そのとおりだ。いかにも、儂は君の気持ちを確かめたかった。キョンシルは儂にとっては、ただ一人の大切な孫だ。その孫を託す男がキョンシルを女としてどのように見ているのかを知る必要があった」
 トスがわずかに背筋を伸ばした。
「そのご心配には及びません。大監さま、私はキョンシルを心から大切に思っておりますし、恐らくは彼女も私と同じ気持ちでいてくれるものと考えています。こうして呼んで下さいましたゆえ、この場でお願いいたしますが、お呼びがなければ、私の方からお伺いしようと思っておりました。イルチェさま、どうかキョンシルを私の妻に頂きたく、その儀、お受け入れ下さいますよう平にお願い申し上げます」

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