
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
私利私欲もなく、ひたすらキョンシルだけを想うその心、清廉な官吏を理想とするその志、どちらも得難いものだ」
イルチェの表情が俄に真剣味を帯びた。
「儂は君にこの家と孫のゆく末とを託したい。このとおりだ、頼むから、キョンシルの婿となり崔氏本家を継いでくれ」
イルチェが白髪頭を下げるのに、トスは慌てた。
「テ、大(テー)監(ガン)さま(ナーリ)。どうか顔をお上げ下さい。天下の崔イルチェさまにそのようなことをされては、私の方が顔も上げられません」
イルチェが満足げに破顔した。
「それでは、儂の願いを聞き入れてくれるか?」
イルチェの表情が俄に真剣味を帯びた。
「儂は君にこの家と孫のゆく末とを託したい。このとおりだ、頼むから、キョンシルの婿となり崔氏本家を継いでくれ」
イルチェが白髪頭を下げるのに、トスは慌てた。
「テ、大(テー)監(ガン)さま(ナーリ)。どうか顔をお上げ下さい。天下の崔イルチェさまにそのようなことをされては、私の方が顔も上げられません」
イルチェが満足げに破顔した。
「それでは、儂の願いを聞き入れてくれるか?」
