
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い
緑の梢が初夏の風に揺れる度に、地面に落ちた影もつられて揺れる。その光景はさながら地面に光の網をひろげたようでもあった。
枝が動くにつれ、光の網は伸びたり縮んだりする。
崔氏の庭は今、新緑が燃えるようだ。その中をキョンシルは良人となったトスと並んで歩いている。
キョンシルは薄桃色のチョゴリと背景の緑に溶け込むような若草色のチマを纏っている。チマにはやはり同色の翡翠のノリゲがさりげなく付けられている。崔氏当主の奥方が持つとされる品だ。
崔家では一昨日、前当主イルチェの法要を済ませたばかりだ。二人の祝言を見届けるようにして祖父が逝ってから、はや一年が過ぎていた。
枝が動くにつれ、光の網は伸びたり縮んだりする。
崔氏の庭は今、新緑が燃えるようだ。その中をキョンシルは良人となったトスと並んで歩いている。
キョンシルは薄桃色のチョゴリと背景の緑に溶け込むような若草色のチマを纏っている。チマにはやはり同色の翡翠のノリゲがさりげなく付けられている。崔氏当主の奥方が持つとされる品だ。
崔家では一昨日、前当主イルチェの法要を済ませたばかりだ。二人の祝言を見届けるようにして祖父が逝ってから、はや一年が過ぎていた。
