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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第20章 第四話 【牡丹の花咲く頃には】 花びら占い

「旦那(ソバ)さま(ニム)、本当にこれで良かったのですか?」
 キョンシルが控えめに言うのに、トスが微笑んだ。
「一体、何のことを言っているんだ、夫人(プーイン)」
 キョンシルはこんもりと膨らんだお腹を撫でた。
「子どもが生まれたら、あなたは余計に逃れられなくなってしまうわ」
「私が一体、何から逃れるというのだ?」
 意外そうな表情の良人である。
 キョンシルは首を傾げた。
「あなたは自由を愛する人でしょう。私と結婚するためにやむなくお祖父さまが出した条件を受け容れて崔氏に婿入りしたけれど、本当は今まで通り自由に生きたかったのではと私は今でも心配しているのです」

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