
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
「だったら、トスおじさんにとっては大切なものでしょ。せめてお母さんの形見だと思って、おじさんが持っていた方が良いのではないかしら」
「最初はそう思っていたんだが、キョンシルを見ている中に気が変わったよ」
トスが眼を開き、心もち眼を細め、眩しいものでも見るかのようにキョンシルを見つめた。
「キョンシルはソンニョによく似ている。こうして横顔を見ていると、いまだにまだソンニョが死んだなんて嘘じゃないか、彼女はまだ生きていて、こうして俺の側にいると思ってしまうくらいだ。俺はソンニョを幸せにしてやれなかった。キョンシル、そなたはソンニョの娘だ。だから、せめてソンニョに生き写しのそなたには幸せになって欲しい。いつか、そなたにふさわしいちゃんとした男が現れ、祝言を挙げる時、この簪を挿してそいつと幸せになってくれ」
「最初はそう思っていたんだが、キョンシルを見ている中に気が変わったよ」
トスが眼を開き、心もち眼を細め、眩しいものでも見るかのようにキョンシルを見つめた。
「キョンシルはソンニョによく似ている。こうして横顔を見ていると、いまだにまだソンニョが死んだなんて嘘じゃないか、彼女はまだ生きていて、こうして俺の側にいると思ってしまうくらいだ。俺はソンニョを幸せにしてやれなかった。キョンシル、そなたはソンニョの娘だ。だから、せめてソンニョに生き写しのそなたには幸せになって欲しい。いつか、そなたにふさわしいちゃんとした男が現れ、祝言を挙げる時、この簪を挿してそいつと幸せになってくれ」
