
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第4章 偽りの別れ
紅い焔が小刻みに揺れている。キョンシルはじっと視線を注いだまま問うとはなしに問うた。
「ねえ、一つだけ訊いても良い?」
「何だ? 急に改まって。初恋がいつかとか、最後に寝小便をしたのが何歳のときだったかなんて質問はこの際、ナシだぞ」
「やあねえ。これだから助平中年はいやよ」
「助平中年? おい、それは皮肉にもならないぞ。きつすぎる」
昼間のことを想い出しているのだろう、トスの小麦色の膚がうっすらと染まり、恥ずかしさと照れくささをごまかすように視線を泳がせた。
「ごめんなさい。やっぱり、言い過ぎたわよね」
小さく舌を出すキョンシルを、トスは眩しげに見た。
「ねえ、一つだけ訊いても良い?」
「何だ? 急に改まって。初恋がいつかとか、最後に寝小便をしたのが何歳のときだったかなんて質問はこの際、ナシだぞ」
「やあねえ。これだから助平中年はいやよ」
「助平中年? おい、それは皮肉にもならないぞ。きつすぎる」
昼間のことを想い出しているのだろう、トスの小麦色の膚がうっすらと染まり、恥ずかしさと照れくささをごまかすように視線を泳がせた。
「ごめんなさい。やっぱり、言い過ぎたわよね」
小さく舌を出すキョンシルを、トスは眩しげに見た。
