側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第5章 対面
それから、それから―。あの片隅の箪笥というか、棚は紫檀でいかにも高価そうだし、その上に乗っている大ぶりの壺は綺麗な葉っぱが並んだような文様が全面に刻み込まれていて、これ一つあれば、一家五人くらいは当分、遊んで暮らせそうだ。
ウッホン。突如として大きな咳払いが響き渡り、キョンシルはビクッとして飛び上がる。
眼前の老人はこれ見よがしに白くて太い眉を顰めていた。
「ホホウ、賤しい女の血を引くとは聞いていたが、流石に血は争えぬものだな。このように物欲しげに落ち着きなく部屋中を物色するとは」
あまりといえばあまりの科白に、キョンシルはムッとした。が、ここに来る前、トスから耳に何とかができるまで繰り返し聞かされた科白が耳にこだまする。
ウッホン。突如として大きな咳払いが響き渡り、キョンシルはビクッとして飛び上がる。
眼前の老人はこれ見よがしに白くて太い眉を顰めていた。
「ホホウ、賤しい女の血を引くとは聞いていたが、流石に血は争えぬものだな。このように物欲しげに落ち着きなく部屋中を物色するとは」
あまりといえばあまりの科白に、キョンシルはムッとした。が、ここに来る前、トスから耳に何とかができるまで繰り返し聞かされた科白が耳にこだまする。