側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第5章 対面
しかし、ジュボクに負われて戻ってみれば、門前に例の馬面の執事が待っていた。
「旦那さまがお嬢さまにしばらくここでお暮らしになるようにとのことです」
ただし、予想したとおり、あくまでも女中として雇うのであって、一切、身内扱いはしないと言い渡された。
「そりゃア、ないっスよ」
ジュボクはしきりに怒っていたが、キョンシルは逆に気が楽だった。
―あんな判らずやの糞爺ィに孫だなんて認めて貰わなくて結構。
心ではそう思っている。実は崔イルチェもキョンシルも半端ではない頑固者である。そういう性格からして、とてもよく似ている二人なのだが、当の本人たちは絶対に似ていないと信じ込んでいるのだから始末が悪かった。
「旦那さまがお嬢さまにしばらくここでお暮らしになるようにとのことです」
ただし、予想したとおり、あくまでも女中として雇うのであって、一切、身内扱いはしないと言い渡された。
「そりゃア、ないっスよ」
ジュボクはしきりに怒っていたが、キョンシルは逆に気が楽だった。
―あんな判らずやの糞爺ィに孫だなんて認めて貰わなくて結構。
心ではそう思っている。実は崔イルチェもキョンシルも半端ではない頑固者である。そういう性格からして、とてもよく似ている二人なのだが、当の本人たちは絶対に似ていないと信じ込んでいるのだから始末が悪かった。