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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第6章 崔家での日々

 誰も何とも言わないので、仕方なくキョンシル一人が喋ることになる。
「本当にたくさんの洗濯物だわ。良かったら、私にも手伝わせて下さい」
 数人の中の恐らくは年嵩であろう娘がやっと口を開いた。キョンシルほどではないが、かなり上背がある。ほっそりとした体躯にこれも面長な、なかなかの美人である。しかし、狐のようにつり上がった眼と言い、薄い唇といい、どこか狐顔の冷たい印象を与えるタイプであった。
「いいえ、お嬢さまにお手伝い頂くなんて、あまりに畏れ多いことです。ここは私たちで間に合っていますので、お気遣いなさらないで下さい」
 わざとらしく〝お嬢さま〟の部分だけを強く発音するのも嫌みだ。
 キョンシルは唇を噛みしめ、その場に立ち尽くした。

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