
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第6章 崔家での日々
「旦那さま、薬湯をお持ち致しました」
廊下から声をかけると、ほどなく反応があった。
「入りなさい」
静かに扉を開け、中にすべり込む。小卓を掲げて入ってきたキョンシルを見、例の頑固爺ィ―イルチェがたっぷりとした白い眉を寄せた。
愕いたことに、イルチェは豪奢な絹布団に横たわっていた。
「旦那さま、どこかお加減が悪いのですか?」
おずおずと問うと、イルチェはぶっきらぼうに言った。
「たいしたことはない。そなたには関わりなきことだ。薬湯を置いたら、さっさと下がりなさい」
廊下から声をかけると、ほどなく反応があった。
「入りなさい」
静かに扉を開け、中にすべり込む。小卓を掲げて入ってきたキョンシルを見、例の頑固爺ィ―イルチェがたっぷりとした白い眉を寄せた。
愕いたことに、イルチェは豪奢な絹布団に横たわっていた。
「旦那さま、どこかお加減が悪いのですか?」
おずおずと問うと、イルチェはぶっきらぼうに言った。
「たいしたことはない。そなたには関わりなきことだ。薬湯を置いたら、さっさと下がりなさい」
