
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第6章 崔家での日々
とりつく島もない。そこまで言われて、いるわけにもゆかず、キョンシルはお辞儀をして部屋を出てゆこうとした。丁度、外に出て扉を閉めようとした時、小さなうめき声が背後で上がった。
すぐさまとって返すと、白い夜着姿のイルチェが布団の傍らに倒れていた。
「大丈夫ですか?」
どうやら彼は薬湯を取ろうとしたらしい。イルチェの手の届く場所に置いたと思ったのだが、届かなかったのだろう。明らかにキョンシルの失態であった。
「申し訳ありません。すぐに片付けますので」
キョンシルはイルチェに手を差しのべた。
「旦那さま、私に掴まって下さいませ。まず、先に床にお入りになった方が良いと思いますので」
すぐさまとって返すと、白い夜着姿のイルチェが布団の傍らに倒れていた。
「大丈夫ですか?」
どうやら彼は薬湯を取ろうとしたらしい。イルチェの手の届く場所に置いたと思ったのだが、届かなかったのだろう。明らかにキョンシルの失態であった。
「申し訳ありません。すぐに片付けますので」
キョンシルはイルチェに手を差しのべた。
「旦那さま、私に掴まって下さいませ。まず、先に床にお入りになった方が良いと思いますので」
