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側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】

第6章 崔家での日々

 キョンシルは立ち上がった。これ以上、この場にいると、気が狂ってしまいそうだ。自分が何を言い出すか判らない。彼女は一礼すると、逃げるように外へ出た。
「よく憶えておくが良い。そなたの母が儂の大切な息子を殺したのだ。儂はそなたの母を、宋ミヨンをこの生命尽きるまで許さぬ」
 扉が閉まる瞬間、イルチェの憎しみに満ちた声が追いかけてきた。

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