
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第6章 崔家での日々
キョンシルがハッとイルチェを見た。
「こうして身動きの取れぬ儂を見て、腹ではさぞほくそ笑んでおるのだろうて。儂が死ねば、この家はすべて我が物になると浅はかな考えを抱いておるのであろう。されど、そうはゆかぬぞ。儂はまだ、そなたを正式な孫と認めてはおらぬ」
あまりといえば、あまりな科白だった。
「私は―私は、崔氏の娘と認めて貰おうだなんて、少しも願ってはいません」
震える声で言うと、イルチェはフンと鼻先で嗤った。
「ならば、何ゆえ、のこのこと今更になってチソンの娘だと名乗りを上げた」
「こうして身動きの取れぬ儂を見て、腹ではさぞほくそ笑んでおるのだろうて。儂が死ねば、この家はすべて我が物になると浅はかな考えを抱いておるのであろう。されど、そうはゆかぬぞ。儂はまだ、そなたを正式な孫と認めてはおらぬ」
あまりといえば、あまりな科白だった。
「私は―私は、崔氏の娘と認めて貰おうだなんて、少しも願ってはいません」
震える声で言うと、イルチェはフンと鼻先で嗤った。
「ならば、何ゆえ、のこのこと今更になってチソンの娘だと名乗りを上げた」
