
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第8章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 海の町から
あの直後は、トスがまた別人のようになって襲いかかってくるのではないかと身を竦めていたけれど、直に、トスはそんな最低の人間ではないと思い直すようになった。
そんな男だからこそ、彼を好きになった。だったら、自分はずっとトスを信じ続けようと思ったし、信じられると思った。あの出来事があってさえ、キョンシルのトスへの想いは変わらなかった。まして、旅の道中は彼と二人だけで同じ部屋に泊まることは何度もあった。
トスは基本的に宿では別々の部屋を頼んでくれたが、客が大勢で空室がないときは相部屋になったからだ。それでも、キョンシルは別にトスを警戒したことも恐れたこともなかった。
そんな男だからこそ、彼を好きになった。だったら、自分はずっとトスを信じ続けようと思ったし、信じられると思った。あの出来事があってさえ、キョンシルのトスへの想いは変わらなかった。まして、旅の道中は彼と二人だけで同じ部屋に泊まることは何度もあった。
トスは基本的に宿では別々の部屋を頼んでくれたが、客が大勢で空室がないときは相部屋になったからだ。それでも、キョンシルは別にトスを警戒したことも恐れたこともなかった。
