
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第8章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 海の町から
この海沿いの寺に逗留して、早くも十日が過ぎようとしている。少し歩くと、キョンシルは歓声を上げ、小走りになった。
少し手前に、純白の花が群れ咲いている。六弁の白い花が海からの風にかすかに揺れていた。浜木綿(はまゆう)は温暖な気候を好み、海辺で生育する。この町はすぐ近くの海の潮の流れの影響で、比較的温かいのだ。
この場所はキョンシルの最も好きな場所と言って良い。トスが連れてきてくれて以来、一日に一度はここに来て浜木綿の花を眺めるのが日課になった。
浜木綿の花は丈があまり高くない。女にとしては身の丈は高い方のキョンシルは心もち小腰をかがめるようにして、花たちを覗き込む。馥郁としたかんばしい香りが漂ってきて、鼻腔一杯に吸い込む。
少し手前に、純白の花が群れ咲いている。六弁の白い花が海からの風にかすかに揺れていた。浜木綿(はまゆう)は温暖な気候を好み、海辺で生育する。この町はすぐ近くの海の潮の流れの影響で、比較的温かいのだ。
この場所はキョンシルの最も好きな場所と言って良い。トスが連れてきてくれて以来、一日に一度はここに来て浜木綿の花を眺めるのが日課になった。
浜木綿の花は丈があまり高くない。女にとしては身の丈は高い方のキョンシルは心もち小腰をかがめるようにして、花たちを覗き込む。馥郁としたかんばしい香りが漂ってきて、鼻腔一杯に吸い込む。
