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　キョンシルがプイとそっぽを向く。男―光王という庶民には到底似つかわしくない名を持つ商人は破顔した。
「そっか？　俺はお前と源(ウォン)俊(ジユン)のやりとりを逐一聞いてたんだがよ。何かお前ら二人して勝手に俺のこと話のネタにして盛り上がってなかったか？」
「盛り上がってなんかないわ。確かに、あなたの話題が出たのは事実だけど」
　キョンシルがまだあらぬ方を見据えたままで応えると、光王は派手に肩を竦めて見せた。
「プッ、馬鹿正直っていうか、お前って、面白れぇ女」
「あのね、言っておきますけど、私は、あなたにお前呼ばわりされる憶えはないの！」