
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第9章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 李家の御曹司
キョンシルが黙礼して行き過ぎようとした時、ふいに腕を掴まれた。
「何を―」
いきなりのことに愕いて、相手に咎めるような視線を送る。その視線の先にいる人物を見て、キョンシルは〝あっ〟と声を上げた。
「ウォンジュンさん?」
「こんにちは。―なんて、あまりにありきたりな科白かな」
光王の幼なじみだというウォンジュンが笑顔で立っている。
「どうして僕の名前を?」
「えっ、それはまあ」
光王に教えられたのだとも言えない。口ごもっていると、ウォンジュンはそれ以上は追及してこなかった。
「何を―」
いきなりのことに愕いて、相手に咎めるような視線を送る。その視線の先にいる人物を見て、キョンシルは〝あっ〟と声を上げた。
「ウォンジュンさん?」
「こんにちは。―なんて、あまりにありきたりな科白かな」
光王の幼なじみだというウォンジュンが笑顔で立っている。
「どうして僕の名前を?」
「えっ、それはまあ」
光王に教えられたのだとも言えない。口ごもっていると、ウォンジュンはそれ以上は追及してこなかった。
