
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第9章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 李家の御曹司
「―?」
言葉の意味を計りかね、更に不思議そうに見つめると、ウォンジュンは白い頬を染めた。
「い、いや。あのときにお世話になったお礼、君は良いと言ったけれど、僕自身がどうしてもそれでは気が済まなかったんだ。強引な男だと君には余計に嫌われるだろうとは判っていたんだが」
「嫌うだなんて。ただ、本当に私自身は当たり前のことをしただけだと思ったので、お礼は要らないと申し上げただけですから」
ウォンジュンは袖に手を入れると、群青色の巾着を取り出した。先日、彼が纏っていたパジチョゴリの色と似ている。ウォンジュンは小さな巾着を逆さにし、手のひらに何か落とした。
言葉の意味を計りかね、更に不思議そうに見つめると、ウォンジュンは白い頬を染めた。
「い、いや。あのときにお世話になったお礼、君は良いと言ったけれど、僕自身がどうしてもそれでは気が済まなかったんだ。強引な男だと君には余計に嫌われるだろうとは判っていたんだが」
「嫌うだなんて。ただ、本当に私自身は当たり前のことをしただけだと思ったので、お礼は要らないと申し上げただけですから」
ウォンジュンは袖に手を入れると、群青色の巾着を取り出した。先日、彼が纏っていたパジチョゴリの色と似ている。ウォンジュンは小さな巾着を逆さにし、手のひらに何か落とした。
