
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第9章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 李家の御曹司
「貴様ッ」
トスの声が間近で聞こえたかと思うと、ウォンジュンの身体は見る間に後方に吹っ飛んだ。
「トスおじさん(アデユツシ)」
涙の幕の張った瞳に、ぼんやりと人影が映った。後ろから見ただけで、その屈強な体躯の持ち主がトスだと判る。身体中の力が一挙に抜け、キョンシルはその場にくずおれた。
「大丈夫か!?」
トスがキョンシルに駆け寄ってきて、抱き起こす。キョンシルは弱々しい笑みで応え、小さくかぶりを振った。その仕草で大丈夫だという意思表示をしたつもりだった。
トスの声が間近で聞こえたかと思うと、ウォンジュンの身体は見る間に後方に吹っ飛んだ。
「トスおじさん(アデユツシ)」
涙の幕の張った瞳に、ぼんやりと人影が映った。後ろから見ただけで、その屈強な体躯の持ち主がトスだと判る。身体中の力が一挙に抜け、キョンシルはその場にくずおれた。
「大丈夫か!?」
トスがキョンシルに駆け寄ってきて、抱き起こす。キョンシルは弱々しい笑みで応え、小さくかぶりを振った。その仕草で大丈夫だという意思表示をしたつもりだった。
