
側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第9章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 李家の御曹司
「一度で良い。一度だけでも逢ってくれ」
腰に回された男の両手に力がこもった。ウォンジュンが抗うキョンシルを軽々と持ち上げた。外見はいかにもひ弱そうなのに、予想外の力だ。難なくキョンシルの身体の向きを変え、真正面から抱きすくめる。
「止めてっ」
キョンシルは顔を背けようとするも、ウャンジュンは強引に彼女の身体を腕に抱き込み、顔を近づけようとする。見かけは優男としか言えない体型なのに、やはり、ウォンジュンも若い男であった。線の細い外見からはおよそ想像もできないような圧倒的な力でキョンシルを押さえつける。
完全に自由を奪われ、キョンシルは涙眼になった。その時、閉じていたはずの本堂の扉が荒々しく開いた。
腰に回された男の両手に力がこもった。ウォンジュンが抗うキョンシルを軽々と持ち上げた。外見はいかにもひ弱そうなのに、予想外の力だ。難なくキョンシルの身体の向きを変え、真正面から抱きすくめる。
「止めてっ」
キョンシルは顔を背けようとするも、ウャンジュンは強引に彼女の身体を腕に抱き込み、顔を近づけようとする。見かけは優男としか言えない体型なのに、やはり、ウォンジュンも若い男であった。線の細い外見からはおよそ想像もできないような圧倒的な力でキョンシルを押さえつける。
完全に自由を奪われ、キョンシルは涙眼になった。その時、閉じていたはずの本堂の扉が荒々しく開いた。
