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　キョンシルが明るく言うと、トスは不承不承、〝まあ、そなたがそう言うのなら〟と引き下がった。
「それよりも、トスおじさん。おじさんは先刻、あの人を李家の息子だと言ったけど」
　気になるのはウォンジュンの素性である。
　トスの眉間の皺が更に深くなった。
「何だ、そなたはあの男のことが気になるのか？」
「少しだけね。だって、あの人、いかにも良家のお坊ちゃんっていう感じじゃない？　何ていうのか、自分の望みは何でも叶うもんだと信じ込んでいるような雰囲気だわ。きっと、私なんかと違って、苦労なんてしたこともなく育ったんだなというのがすぐに判ったの」