側にいられるだけで④【牡丹の花の咲く頃には】
第9章 第二話 【はまゆうの咲く町から】 李家の御曹司
だから、ウォンジュンは何でも自分の望みは叶えられるものだなんて、良い歳をして子どものような幻想を抱いてるのかもしれない。考えに耽るキョンシルの耳を、トスの声が打つ。
「何でも母親が早くに亡くなり、李ソンジュンが息子を溺愛して育てたらしい。それゆえ、余計に手のつけられない我が儘な甘ったれになったんだろう。とにかく、もう、あんなろくでもない奴に拘わるな」
トスは憮然とした声で言うと、扉を開けて室を出ていった。
「何でも母親が早くに亡くなり、李ソンジュンが息子を溺愛して育てたらしい。それゆえ、余計に手のつけられない我が儘な甘ったれになったんだろう。とにかく、もう、あんなろくでもない奴に拘わるな」
トスは憮然とした声で言うと、扉を開けて室を出ていった。